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ポルトローナ・フラウ大阪「紫舟展~異文化との邂逅~」(Osaka Art & Design)
05/28 - 06/23, 2026 大阪市中央区道修町 3-6-1, 大阪府, 日本
概要
- 概要
- 日本の思想や文化を現代アートに昇華させている書家・紫舟が、Osaka Art & Design2026の一環で、世界を代表するイタリアの家具ブランドであるポルトローナ・フラウの大阪のショールームで個展「紫舟展~異文化との邂逅~」を開催いたします。
確かな伝統とそれを超えていく探求心、人の手によるクラフトマンシップの徹底など、哲学を共有する紫舟とポルトローナ・フラウ。紫舟は、西洋の文化が揺籃したイタリアへの敬意を込めて、書が内包する東アジアの思想を基軸に、西洋絵画に匹敵する存在感の作品を展示いたします。
イタリアのルネサンス時代の技法を再現した書〈銀箔、硫黄、墨の競作が生む異界の書〉や、油絵の常識を書に取り込んだ〈余白のない書〉他、大阪での展示が初めてとなる約2メートルの墨蹟彫刻など新作を多数予定しています。5月29日(金)にはレセプションを開催します(招待制)。
「紫舟展~異文化との邂逅~」
【会期】2026年5月28日~6月23日
【会場】ポルトローナ・フラウ大阪(大阪市中央区道修町 3-6-1)
ポルトローナ・フラウ大阪 | Shops | [Poltrona Frau / ポルトローナ・フラウ] - 展示の特徴
① イタリア古典絵画技法×書
~ 経年変化する「銀箔、硫黄、墨の競作が生む異界の書」~
西洋古典絵画と東洋思想の書の本質的な差異に踏み込み、その上で競作融合させた新表現です。西洋絵画では、メインモチーフより背景に多くの手数(筆仕事)を重ね完成度を高めます。一方の、日本画や書は余白を美とし、その見えない空間に介在する精神性を重んじたため、西洋の基準で日本画や書を鑑賞すると、「メインモチーフが背景よりも遠くに存在する」ように捉えられる傾向があります。
紫舟はこの差異に着目し、板に布を張って石膏を幾層にも塗り重ね研磨を繰り返した堅牢な支持体(画面)に、墨だけでなく金・銀・硫黄といった鉱物素材を重ね、最終工程で作品を炙るというプロセスを確立しています。
試行錯誤の末に生まれた作品は、西洋絵画の構築性と堅牢さ、東洋の誇る一筆で様々な線を書き上げる圧倒的な集中力が生み出す強い表現力をもつ線、その双方を兼ね備えた、世界初の、新たな芸術表現となっています。
② 油絵の発想×書【余白のない書】
油絵では、背景を含めて幾千幾万の筆を重ねて画面全体を構築し完成に至ります。一方、日本画や書は余白を美として尊び、その簡潔さゆえに、西洋の基準では「未完成」と見なされる側面がありました。
紫舟はこの本質的な差異に着目し、あえて伝統的な余白に手を加える挑戦を行いました。人間国宝による手漉き和紙に、筆で幾重もの手数を重ねて背景を構築していきます。それまで「何もない空間」であった余白は、「余韻」へと変容していきます。そこに、新素材を伝統技法で調合した墨で筆の筆致をのこします。ひと筆がまるで複数の手数をこめたかのような表現に仕上がります。こうして生まれた作品は、書の本質である余白の美を感じさせながら、同時にその余白自体に強度と存在感を与えた、次世代の新たな表現です。西洋絵画に比肩する構造性を備えながら、東洋の精神性を内包し、西洋東洋の現代空間に響く現代アートに仕上がりました。
③ 紙から解放された墨蹟【三次元の書】
紫舟が文字の歴史に立ち返り誕生したのが、紙から解放された「三次元の書」の彫刻です。文字の源流は、約3300年前に生まれた甲骨文字に遡ります。当時、文字は牛や鹿の骨に刻まれていました、その空間は平面ではなく、文字は立体として存在しています。
紫舟はこの原点に着想を得て、文字を紙から解放する「三次元の書」を発案しました。従来、書は紙に固定されるため、完成作品から筆の運びや圧の強弱を読み取ることは容易ではありません。本作では、その筆致を立体化。立体化では、彫刻が(筆圧の強い所は)遠くに存在し、(軽やかな運筆のところは)手前へとせり出し、ひと筆で書かれたものは一本の彫刻として現れます。
日本の文化や日本語を知らない人にも、筆の動きやリズム、書かれた時間軸までもが可視化できる新たな書 の芸術表現です。