紫舟 SISYU

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三機工業株式会社 広報誌『Harmony』Vol.66

三機工業広報誌「Harmony」Vol.66

三機工業株式会社 広報誌『Harmony』の「快適よろずばなし」に掲載いただきました。
書にことばの力を宿すために工夫していること、また今後の日本文化について紫舟が考えていることを書きました。


「書にことばの力を宿す」
書道家のゴールは? お手本のような美しさ、感動を与える書、独創的な書体、……さまざまあっていい、あるのがいい。
 私がえざす書の道、それは、「書き上げた書から、その言葉の意味や恩恵が、あふれ出すこと。」
 例えば、貴方の「病気を治してください」と書き、お渡しする。すると、飾っている書かれた文字が力を宿し、言霊となり、病も改善に向かう。「家内安全」と書けば、災いから守られているかのように暮らしが導かれていく。
 ことばの力が書に宿り、書かれた紙が、紙以上の存在になり、書からその力が流れ出て人々に恩恵を与えてくれる。その域に達したいと願っています。
それは特別なことではありません。お正月に新しくするお札や、寺社仏閣で買うお守りなどにも、その力があると私たちが信じているように、文字や言葉に備わる力を、書を通して紙に宿すことができるのです。……