紫舟 SISYU

ええ湯加減

ええ湯加減

エーゆかげん
2020年
墨、和紙

H66×W56.5cm
作家蔵


いいことも、ほどほどがいい。
いいことであっても、頼まれていないよいことは、
時に、相手にはありがた迷惑になることがある。

手間暇かけてお料理をしたときに、
相手からの「おいしい」を期待したり、
「ありがとう」がないからと感情的になったり、お返しを求めたり、
してあげたのにと恩着せがましくなったり、
いつもわたしばっかり…と思ってしまうことは、
誰しもあるだろう。

そんな風に、いいことをしても、
そのことに執着しすぎて、きれいじゃない心が現れることもある。
してあげたのにという気持ちに囚われることだってある。
意識しないところでも見返りをほしがる気持ちが生まれることもある。
お礼がないと不満をもつのもいやだから、

いいことも、ほどほどがいい。
よい加減、いい塩梅、適当な量くらいが、いい。

いいことをしたら、そのことを後追いせず。
はい、終わり。いいことしたね、それで充分!