花
花
はな
2026年
和紙、墨、塗料
書
H71.6×W59.5cm
花が開けば、自然に蝶はやって来る。だから「その時が来ることを信じて待つ」。
いまが冷たい冬に感じられても、やがて花はひらく。
いまが梅雨のように見えても、蕾を育てる恵みの雨。
君は咲く、君が花咲く。
ー余白のない書ー
油絵では、背景を含めて幾千幾万の筆を塗り重ねて画面全体を構築し完成に至る。日本画や書は背景をあえて描かない余白も美として尊ぶ。しかしその簡潔さは、西洋の基準からすると「未完成」と見なされてしまう。
そこで、あえて伝統的な余白に手を加える挑戦を行いました。人間国宝による手漉き和紙に、筆で何度も手数を重ねて背景を構築。それまで「何もない空間」であった余白は、「余韻」へと変容。
そこに、新素材を伝統技法と調合した墨で描く。するとひと筆が、まるで複数の手数を込めたような表現に仕上がる。書の余白の美の雰囲気を感じさせながら、同時に背景にも強度と存在感を与える新たな境地。
西洋絵画の構造を備えながら、東洋の精神性を内包した、東西の現代空間に響く「美」が誕生。
