紫舟 SISYU

ひとつの輪

ひとつの輪

ひとつのわ
2024年
布、石膏、金箔、墨



天才暦師・杉山開知さんが教えてくれた、
いまは二十四節気の「芒種」。
春の流れが結実し、黄金色の麦が実り収穫。
そして田には、秋へ向けて稲が植えられる。

「いま」とは、かつての意志が実を結んだ瞬間。
何かが「実った」と感じるとき、
そこにはすでに、新たな「蒔きどき」が訪れる。
芽吹きへ向けた、静かな出発。

「蒔く」と「実る」が交差し、
原因と結果が、ひとつの輪として重なり合う。
繋がり合い、重なり合い、ひとつの輪に。