紫舟 SISYU

君が愛した僕

君が愛した僕

きみがあいしたぼく
2009年

彫刻
H180×W50×D10cm
作家蔵


文字を平面から解放することで立体になった「書の彫刻」。
文字=平面という常識を打ち破り、書の概念を超えた。
彫刻に光をあてることで生まれる影も作品の主体となる。
影は揺れ動きながら、その言葉のもつ意味を表す。

現在の日本語の源流「甲骨文字」。
今から三三〇〇年前に誕生したこの文字は、
古代人が牛や鹿の骨を刻んだものである。
紙に書かれはじめたのは、それから一三〇〇年後のこと。
“刻む”という意味でも文字は本来、立体であったことが分かる。

文字の歴史を遡り、平面を立体へ変換することで、
紫舟は日本の書1300年史における新たな書のアートを誕生させた。

「書の彫刻」は、ヨーロッパ芸術の登竜門、パリ・ルーヴル美術館地下会場で「北斎は立体を平面に、紫舟は平面を立体にした」と評され、最高金賞を受賞した。